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〒041-0813
北海道 函館市 亀田本町60-17p>
耳鼻咽喉科は耳と鼻とのどの専門科です。
当院では、耳鼻咽喉科領域で扱う病気や症状に関する専門的な検査機器を取り揃えており、治療を行うことができます。
下記にお示しするものは耳鼻咽喉科で診療する主な病気や症状です。
お子様の健やかな成長・発育や、大人の方の生活の質(QOL=Quality Of Life)の向上に努めさせていただきたいと思います。
何か思い当たることがございましたらどんな些細なことでもよろしいので、お気軽にご相談・ご来院ください。
急性中耳炎
滲出性中耳炎
突発性難聴
メニエール病
良性発作性頭位めまい症
耳管機能障害
耳の閉塞感、聞こえづらさ、耳鳴り、耳痛、耳垂れ、耳あか、その他耳のトラブルなど
突然発症する原因不明の高度感音難聴を総称して突発性難聴と呼びます。原因に関してはウイルス感染や循環障害など諸説ありますが、現在のところ明らかにはなっていません。耳の中の内耳(蝸牛・前庭・三半規管)という器官に何らかの異常が生じています。
●副腎皮質ステロイド薬の全身投与(点滴あるいは内服)
副腎皮質ステロイド薬は、副腎という臓器から分泌されるホルモン(ホルモンとは主に内分泌臓器や組織で産生され、血流に乗り標的器官へ運ばれて生命機能を維持・調節するはたらきをもつ物質です)を基に製剤化されたホルモン剤です。炎症・浮腫をとり、神経障害の回復に有効な抗炎症薬です。
突発性難聴への作用機序は未だ不明な部分はありますが、初期治療として有効とする報告が多くあります。治療の特効薬と考えられますが、ホルモン剤であるためいくつか注意が必要な副作用があります。
1)血糖上昇→糖尿病のある方では高血糖に注意が必要で、厳格な血糖コントロールが必要になります。
2)胃潰瘍→あらかじめ胃薬を併用することで予防します。
3)免疫抑制作用→風邪をひくなど感染に注意が必要です。特に、B型肝炎ウイルスの感染歴がある方では、免疫抑制作用による肝炎発症に注意が必要です。
4)不眠
5)皮膚障害(ふきでもの)
●循環改善剤、ビタミンB12製剤内服
内耳への血流改善や機能改善効果を期待して用いられることが多いです。
●高気圧酸素治療
大気圧より高い気圧環境の中で酸素を吸入することにより、より多くの酸素を体内に取り込み、全身いたるところの低酸素状態を改善する治療法です。
突発性難聴に対しても有用性とされる治療法の1つです。
●ステロイド薬鼓室内投与
突発性難聴に対する治療法として、副腎皮質ステロイド薬の全身投与が一般的ですが、種々の基礎疾患(糖尿病、高血圧症、B型肝炎など)により、全身投与ができない患者さんがおります。
ステロイド薬鼓室内投与は、鼓室内へステロイド薬液を注入することで局所的に内耳へ作用させる治療です。そのため、全身投与と比較して明らかに全身的な副作用(有害作用)は少なく、治療薬の内耳への移行性も高いと考えられています。
副腎皮質ステロイド薬全身投与後の後療法(救済治療)として行われることもあります。
●突発性難聴の聴力予後については、なんらかの一次治療(副腎皮質ステロイド薬の全身投与や高気圧酸素治療)を行った場合、一般的に1/3が治癒、1/3が改善、1/3が不変といわれています。
●現在、突発性難聴に対して行われている治療について、その有効性には高い科学的根拠があるものはありません。
●米国の突発性難聴診療ガイドラインでは、以下の3つの治療法については有用性が指摘されています。現段階ではその他の治療に関しては、科学的根拠が乏しいか、有用性よりリスクが大きいと判断されています。
●めまいを伴う場合、治療開始までに2週間以上が経過した場合、高齢者の場合、聴力障害の程度が悪い場合は聴力改善が困難となる可能性が高くなります。
急な聴力低下や耳鳴り、耳の閉塞感を自覚された場合には、早期受診と早期治療が重要です。
メニエール病は30~50代の女性に多い病気で、内耳を満たす内リンパという液体が過剰になる状態です(内リンパ水腫といいます)。内耳のはたらきが異常となり、強烈な回転性めまいや難聴・耳鳴りなどの耳症状を繰り返すことが特徴です。診断の上で、「繰り返す」ことが重要であるため、初めてのめまいや難聴でメニエール病と診断するのは困難です。めまいの特徴は数時間から長くても一日でほとんど治まります。
聴力低下は主に低音域の聴力変動が特徴です。突発性難聴より回復しやすい傾向がありますが、一度悪くなった聴力は必ずしも元に戻らない可能性があり、これを繰り返すことで徐々に聴力が低下していきます。
●薬物治療
内リンパ水腫の改善のために浸透圧利尿剤(尿を出す薬)や漢方薬を使用します。また、内耳への血流改善や機能改善効果を期待して、循環改善剤やビタミンB12製剤を使用します。
めまいがある時期は、めまい止めや吐き気止めを使い、めまいを止めるようにしていきます。
聴力が低下していれば、突発性難聴に準じて副腎皮質ステロイド薬を使用します。
症状が治まってからもある程度落ち着くまでは薬の調節が必要になります。メニエール病の多くは薬物治療や生活習慣を正すことによりコントロールできます。
●鼓膜マッサージ機による中耳加圧治療
中耳に圧を加えることで内耳へ圧波が伝播し、リンパの巡りを改善することで内リンパ水腫にも有効であると考えられています。非侵襲的な治療です。めまい発作を繰り返す場合、中耳加圧治療を月単位で行うことで有効性が期待されています。
●鼓膜換気チューブ留置術
中耳加圧治療でもめまい発作を繰り返す場合、外科的治療が検討される前段階として行われることがあります。チューブ留置により中耳の陰圧化を防ぎ、リンパの巡りを促し、内リンパ水腫を改善することが期待されます。
●外科的治療(手術)●ゲンタマイシン鼓室内投与による内耳破壊術
保存的治療でコントロールが困難な場合には、段階的に、より侵襲的な治療が行われる場合もあります。
ストレスや疲労、睡眠不足が主な発作の引き金になりやすいため、気分転換をはかり、なるべく生活が不規則にならないように日々心がけることが大切です。適度な有酸素運動も有効と考えられています。一度発症すると完治は難しい病気ですが、症状をうまくコントロールすることが大切です。
耳が原因で起こるめまいの中で最も多いめまいで、めまい患者さんの20~40%が良性発作性頭位めまい症といわれています。聞こえに関係する部分には異常がなく、聴力低下は起こりません。
内耳構造のうち前庭という部分に存在する耳石が外れて隣接する三半規管の中に入り込み、体や頭を動かしたときに耳石が三半規管内をコロコロ動き回ることで起こるめまいです。診断のためには、頭や体の位置を変化させることでめまいが起こるかどうかを確認します。
三半規管内から耳石がなくなれば、めまいはピタッと収まります。
頭を決まった方向へ動かすことで、三半規管内の耳石を排出していくような理学療法も有効です。めまい症状が強い場合には、程度に応じてめまい止めや吐き気止めの薬を使用します。症状は2週間程度で治まることが多く、1ヶ月以上続くことは少ないです。
一度症状が治まっても、その後の経過で繰り返す方もいます。めまいが出現した際は、その都度しっかりめまいの原因を精査・治療することが大切です。
アレルギー性鼻炎
花粉症
慢性副鼻腔炎
鼻中隔湾曲症
鼻出血症
鼻水、鼻づまり、においがしづらい・しない、変なにおいがする、鼻出血、花粉症、副鼻腔炎、鼻腔内異物、その他鼻のトラブルなど
鼻の中は外的刺激を受けやすく、血管が豊富に分布しているため、どこからでも出血を起こす可能性があります。鼻出血のおよそ90%程度は鼻中隔(鼻の左右を隔てる壁)前方からの出血です(キーゼルバッハ部といわれる部位です)。
最も多いのは鼻の中をいじったり、鼻を強くかんだりした際に鼻の中の粘膜が傷つき出血する指性出血です。ほかにアレルギー性鼻炎、高血圧症、血液の病気、肝臓の病気、鼻腔内腫瘍などが原因で出血することがあります。
なかなか止まらない鼻出血に対してはガーゼを詰めて圧迫をしたり、出血部位が分かればアルゴンプラズマ凝固や電気凝固を行い止血します。
鼻中隔とは、鼻の中の左右を隔てている真ん中の壁のことです。主に鼻中隔軟骨と篩骨正中板、鋤骨から構成されています。
鼻中隔がまっすぐではなく、上下、左右、前後に偏位した状態を鼻中隔湾曲と呼びます。軽度の湾曲を含めると、成人の90%以上に認められ、鼻づまりなどの臨床症状を伴う場合を鼻中隔湾曲症といいます。
発育・成長過程で、鼻中隔を構成する軟骨や骨も発育していきます。しかしながら、それぞれの成長スピードが異なりアンバランスな発育になることで、左右どちらかへの偏位を余儀なくされて湾曲すると考えられています。外傷・鼻骨骨折などにより鼻中隔が湾曲することもあります。
よくみられる症状は鼻づまりです。鼻中隔の湾曲の程度が強いと、鼻の中の通り道が狭くなるため症状も強くなる傾向があります。鼻づまりにより、日中ぼーっとしたり眠気が続いたり集中力が低下するなどの弊害が起こることもよくあります。また、鼻の中の換気が悪くなり、副鼻腔炎や嗅覚障害を合併することもあります。
また、鼻中隔湾曲の凸側では刺激が加わりやすく、鼻出血を生じやすくなることがあります。鼻粘膜性頭痛を生じることもあります。
鼻炎に伴い鼻症状が強くなることがあります。この場合は鼻炎に対する薬物治療で症状が軽快することがあります。
自覚症状が強い場合は外科的治療(鼻中隔矯正術)が根本的な治療となります。
慢性上咽頭炎
扁桃炎
咽頭炎
喉頭炎
扁桃周囲膿瘍
声帯ポリープ
のどの痛み、口内炎、せき(咳)、息苦しい、声がれ、痰がらみ、喉の違和感、飲み込みづらさ、のどが渇く、その他口腔・のどのトラブルなど
上咽頭は、鼻の奥の突き当りに相当する部位で、気道(空気の通り道)を構成しています。また、咽頭扁桃(アデノイド)という免疫器官が存在し、ウイルスや細菌、異物などから身体を守る役割を担っている部位でもあります。
さまざまな原因で上咽頭に炎症が起こります。原因としては、細菌やウイルスによる感染、アレルギー性疾患、後鼻漏(鼻水がのどにおりる症状)による上咽頭刺激、疲労やストレス、空気の乾燥、加齢性変化(粘膜血流変化や乾燥変化)などが挙げられます。
慢性的にのどの不快感や乾燥感、異物感などを自覚することが多いです。また、刺激性に咳が出ることも多いです。軽度の咽頭痛や嚥下痛を自覚することもあります。
上記の症状がある場合に、上咽頭炎も考慮されます。
上咽頭は鼻の奥の突き当りであるため、内視鏡という細いカメラを鼻から挿入し観察する必要があります。上咽頭に発赤や痂皮(かさぶた)の付着があれば診断しやすいのですが、一見正常に見える場合もあり「異常なし」と診断されることもあります。
慢性上咽頭炎では、綿棒や吸引管による刺激で出血しやすかったり、痛みやしみる感じが出ます。
予防として、しっかり体調を整え、鼻やのどの粘膜の乾燥を防ぐことが重要です。脱水を防ぐためこまめに水分補給したり、うがいや加湿を行います。鼻洗浄により、鼻から上咽頭部分を洗い流し、加湿することも有効です。
治療としては、炎症やアレルギー性疾患、後鼻漏があれば、薬物治療により抑えていきます。また、塩化亜鉛という消炎剤を、上咽頭へ綿棒で直接塗布・擦過する消炎治療も行われます。頻度としては、週1~2回程度で行います。期間としては、月単位で症状・経過を確認して行います。
急性扁桃炎に引き続き発症することが多く、口蓋扁桃と周囲組織の間に膿瘍(膿が貯留した状態)を形成した状態のことです。
非常に強い炎症であるため発熱を伴い、のどの痛みは強く食事摂取は困難となります。また、炎症が口蓋扁桃周囲の筋肉にも及んでいるため、口を開けるのも困難となります。
のどの奥まで炎症が広がっていることが多く、声が出しづらくなったり、呼吸が苦しくなることもあります。
膿が溜まった状態で放置すると膿がのどの方に降りて呼吸困難や気道閉塞を起こしたり、膿が血管を通って全身に回り、敗血症を起こして命に関わることもあるため、早急な治療が必要です。
●穿刺・切開排膿術
膿が完全に貯留している場所には薬は到達しません。そのため、穿刺(注射針を刺すことです)や切開による排膿処置が必要です。
●薬物治療
排膿処置と併せて抗菌薬を主体とした薬物治療を行い、炎症を抑えていきます。
●口蓋扁桃摘出術
扁桃周囲膿瘍は約10~20%の方で再発します。急性扁桃炎を繰り返す方では約40%で再発するとの報告もあります。再発を繰り返す場合などで口蓋扁桃を摘出する外科的治療が検討されます。
炎症の主な原因はウイルス感染や細菌感染ですが、その他、物理的刺激(外傷や熱など)や化学的刺激(化学物質など)、後鼻漏(鼻水がのどにおりる症状)が原因となることもあります。
経過により急性炎症と慢性炎症に分けられます。 炎症が慢性化する主な原因は、急性炎症からの移行(反復感染や不十分な治療が原因となることがあります)や、持続的刺激(喫煙、飲酒、大気汚染、後鼻漏など)です。
のどの痛みや発熱、倦怠感が出現し、咳やたんが多くなることも多いです。食事摂取も困難となることがあります。
また、炎症に伴い首のリンパ節が腫れて痛みが生じたり、頭痛や関節痛など全身にも症状が出現することがあります。 炎症がさらに強くなると、咽頭や喉頭の粘膜が浮腫み、呼吸困難や気道狭窄を起こす可能性もあり注意が必要です。
炎症を抑えるように消炎薬物治療を行います。細菌感染による炎症の場合には、抗菌薬を主体とした薬物治療を行います。
炎症が強い時期は無理せず安静にすること、水分・栄養をしっかりとること、十分な睡眠をとることが大切です。
声の酷使や喫煙、のどの炎症により声帯は赤く腫れます(声帯粘膜の毛細血管が拡張・充血している状態です)。この状態で更に声帯を酷使したり咳を繰り返すと、声帯粘膜の毛細血管が破綻・内出血し、声帯に膨らみが生じます。内出血はある程度時間が経つと吸収されますが、内出血と吸収を繰り返すと声帯ポリープが形成されます。
主に声枯れで、声がかすれて出ない、声が裏返るなどの症状です。また、常にたんがからんでいるような、のどの違和感を自覚することもあります。
声帯ポリープだけでは、特に呼吸困難や咽頭痛などの症状は起こりません。
●保存的治療
声帯の安静が第一です。のどを潤し、なるべく声を使わないようにします。また、のどの炎症がある場合や咳がある場合は薬物治療により症状を抑えることも併せて行います。
●手術的治療
保存的治療でも声帯ポリープが改善しないこともあり、その場合は手術的に声帯ポリープを切除します。術後は通常1週間程度声を出さないよう生活することが大切です。
声枯れの原因が声帯麻痺や喉頭腫瘍の場合もあるため、なかなか声枯れが改善しない場合は耳鼻咽喉科での専門的な診察をお受けいただくことが大切です。
めまい・ふらつき、顔の動かしづらさ、味覚障害、首のリンパ節の腫れや痛み・腫れもの、甲状腺、補聴器のご相談など。
小さなお子様からご高齢の方まで症状にお困りの方がいらっしゃいましたら遠慮なくご相談ください。